哺乳類の受精過程
哺乳類が受精するまでの過程を分けて説明していきます。
以下の6つのトピックについて書いていきます。
精子の遊泳と超活性化
ここでは精子誘引によって精子は卵に向かって泳ぐ。
精子誘引
放精・放卵された配偶子の間で、卵が精子の運動を方向付ける現象。
卵から拡散される誘引物質によって卵の周囲に生じる濃度勾配に対する精子の走化性によって成立する。
先体反応
精子先体反応は細胞外から流入したカルシウムイオンに反応して先体膜と精子細胞膜が融合する現象。
先体胞に隔離された酵素が放出され先体膜は外部へ露出する。
放出された酵素がジェリー層や卵膜を溶解し精子の侵入を可能にし、露出した先体膜にあるタンパク質を使って精子は卵膜と結合し卵細胞膜と融合する。
透明帯結合
透明帯通過
透明帯と卵細胞膜の間に遊離しているCD9と精子が結合することで、精子卵細胞膜融合を可能にする。
精子卵結合
Izumo,Junoの話。
精子特異的に発現しているIzumoと卵特異的に発現しているJunoが結合することで卵膜と結合。
CD9と結合している精子と卵細胞膜融合。
多精子受精拒否
多精子拒否には2つの方法がある。
一つ目は早い多精子拒否で、これは膜電位の急激な上昇によっておこる。
二つ目は遅い多精子拒否でこれは受精膜の硬化によって引き起こされる。
遅い多精子拒否
精子卵細胞膜融合の後、精子が持ち込んだPLC(フォスフォリパーゼC)がIP3(イノシトール三リン酸)を産生しIP3が小胞体膜上にあるIP3R(イノシトール三リン酸レセプター)に結合することで小胞体内にあるカルシウムイオンが放出されカルシウムウェーブが起こる。
表層粒が卵細胞膜と結合する。
卵膜と細胞膜の間に放出されたタンパク質分解酵素によって卵膜と細胞膜の連結が切れる。
糖鎖によって浸透圧が上昇し、卵膜と細胞膜の間に水が流入して卵膜と細胞膜を引き離す。
ペルオキシダーゼの作用によって受精膜が硬化する。